貨物運送をする際の注意点って?事業者でも労働者でも役立つ事柄を確認します

「貨物と運送について考えよう。仕組みや貨物運送業について紹介(https://www.keeyan.jp/blog/1382/)」という記事で貨物利用運送事業の定義や、貨物軽自動車運送事業の仕事内容、特徴についてお伝えしました。

 

おおよそどのようなものかイメージがついたと思いますが、今回はその貨物運送を行う際の注意点についてお話していきます。より深く貨物運送について知っておきたい方はぜひ参考にしてください。

どのような法律が関係しているか知っておこう

運送事業には多くの法律が関わってきます。必要な時に必要な法律を確認する意識を持ち、法令順守を心がけましょう。

 

貨物自動車運送事業法

事業を始める際はこの法律に則って国土交通大臣、または地方運輸局長の許可を受ける必要があります。黒や緑のナンバーをつけて走っている車は、この法律に基づいて許可したり届出を行ったりした車です。

 

運送事業を「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「貨物軽自動車運送事業」と3種に定義づけしている法律であるため、自らが行おうとしている事業、あるいは関わろうとしている事業の種類の確認もできます。

 

道路運送車両法

自動車の検査や登録、届出、強制保険に関して自動車を分類しているのがこの法律で、車両法とも呼ばれます。自動車本体における安全性を確保するのがこの法律の目的です。

 

道路交通法

運転免許や交通取締に関して自動車を分類しているのがこの法律で、道交法とも呼ばれます。交通安全を確保するのがこの法律の目的です。実務面で最も触れることになる法律でしょう。過積載、トラックの荷台に人が乗ることなどを禁止しています。

 

都市計画法等

自分で事業を立ち上げる場合は営業所や店舗、保管施設、休憩・睡眠施設、自動車車庫を建設する必要がありますが、その際に抵触していないか確認する必要があります。また、建築物だけでなく集配事業計画を立案する際にもチェックしなければなりません。

 

労働基準法・会社法

労働基準法は賃金の支払い、割増賃金、労働時間、休日、解雇、有給、就業規則等について定めた法律です。会社法は、会社の設立や組織、運営、管理について定めた法律です。

 

上記1-1.「貨物自動車運送事業法」~4.「都市計画法等」は国土交通省の所管ですが、労働基準法の所管は厚生労働省、会社法の所管は法務省です。どちらも、経営者であっても労働者であっても知っておくべき事柄が多いでしょう。

定期的に国土交通省のホームページを確認する

より法令について詳しく知りたい場合、国土交通省のホームページは定期的に確認すると良いでしょう。とくにホームページ中央あたりにある「政策情報・分野別一覧」が参考になります。

 

たとえば平成22年から始まった「環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度について(追補版)」というものがありますが、こちらの制度が今年の8月3日(火)に終了したという更新がありました。上記の更新は「自動車」カテゴリに関するものです。その他「物流」や「運輸安全」などが関係の深い項目になるでしょう。もし時間があれば「統計情報」を見るのもおもしろいかもしれません。

保険に加入しよう

貨物運送を行う際に必要なのがリスクマネジメントです。会社を運営する側、あるいは自分ですべてを切り盛りするのであれば必ず意識しておかなければならない点でしょう。

 

保険には「人を対象とした保険(使用者賠償責任保険等)」と「物を対象にした保険(運送保険等)」の2種類があります。

 

今回の名称は「東京海上日動」から引用したものですが、いずれも多くの保険会社が取り扱っているので、会社や自分にあった保険に加入するのがオススメです。「どれも同じ」と考えず、会社の現状や自分の現状なども考えて最適な保険を選びましょう。

輸送に注意が必要なものを理解しよう

輸送に関して法律で制限されているものが存在します。全日本トラック協会が出している「危険物輸送の基本」を見ていくと、以下の5つが無資格または無届等で輸送してはならないものとされています。

 

・消防法上の危険物(硫黄やナトリウム、ガソリン等)

・高圧ガス

・火薬類

・毒物及び劇物(黄りんや塩素、水酸化カリウム等)

・放射性物質(L型を除く)

 

また、これらを輸送する際はトラックの前後に「危」「毒」「高圧ガス」といった標識をつけておく必要があります。「運んでよいのかな」と疑問に感じた場合はすぐに調べるようにしておくとリスクの回避に繋がります。

まとめ

以上、貨物運送に関して注意しておきたいポイントをまとめました。令和元年度の統計でみると、年間輸送量47億トンのうち9割を超える量をトラックが輸送していることがわかります。まさに日本の経済を支える重要な社会インフラの一つであるといえます。

 

今回の記事では注意点をまとめましたが、裏を返せば世の中のさまざまな運送業者は、こうした要素をすべて押さえながら会社運営を行っているわけです。現在運送業に携わっている方は、大変な仕事をしているという誇りを持ってください。

 

これから運送業をしようとしている方はその大変さが良く分かったと思いますが、非常にやりがいのある仕事でもあります。「大木自動車サービス」では、軽自動車運送(貨物軽自動車運送事業)を起業から応援いたします。もし軽バンを所有されていればその車を使用して開業することも可能です。一人ひとりのニーズに対応した細やかなサービスが自慢の弊社に、ぜひお気軽にお問い合わせください。